北海道弁の「ちょす」って知っていますか?
北海道弁の中でも個人的に好きな言葉として堂々1位にランクインしていることば、それが「ちょす」です。使い方としては、
ちょす。ちょされる。
ちょして。ちょすな。
ちょして頂かないと困ります。
ちょっとだけちょして。
そもそも字面が可愛いですよね。『ち』と『ょ』と『す』が集合するだけでこんなに愛くるしさが溢れるなんてことはこの言葉を知ってから初めて気付かされました。
可愛いのはわかった。じゃあ意味は?
ちょすということばは〈触れる、さわる、いじる、からかう〉という意味で使われます。漁師さんの会話を聴いたりしていると、下ネタにも頻繁に登場してきます。字面や響きは可愛いことばだけれど、ちょっとスケベ。エロかわいいことばということです。
というのは半分冗談で、ここで例文をいくつか挙げてみましょう。
①『そこんとこは、この前植えたばかりだからちょすなよ〜』
訳)その辺りは先日植えたばかりですので触らないでください
②『あんたらいっつもいっつもおらのことちょしてっからバチが当たったんだあ!』
訳)あなたたちは毎回私のことをいじる(からかう)から罰が当たったのです
③『いいからいじってみれ、なんも危なくねっからいじってみれ』
訳)大丈夫だから触ってみてください、危ないことは何もないから触ってみてください。
このように<ちょす>という言葉が北海道では日常的に使われています。例文をみてもなんだか可愛らしくて頬が緩みませんか?ちょすなんて知らない!ちょすを使い慣れていない方も一度声に出して、ちょしてみてください。その魅力にきっと気づくことができるはず。
ちょすが使われる地域
そもそも北海道弁とは言っても東北界隈から流れてきていることばも多いのですが、このちょすも例外ではありません。
・下北弁
・津軽弁
・仙台弁
これらの地域では共通して使われているようです。ちょすを使用するちょす民族ということですね。地球上で初めてちょすということばをチョイスして使った人には大きな拍手を贈りたいと思います。
若い子も使う<ちょす>
余談になりますが、最近の若い子の間ではあだ名として名前のあとに ちょす、たむ、ちゃそ、めろみたいなことばをつけるのが流行っているようです。例えば私であればあだ名を『はらちゃん』なんて呼ばれているわけですがその場合、
『はらちょす』
となるわけです。お腹を触るという意味になるわけです。あれ、好きなことばなのにぜんぜんしっくりこない。これに「な」をつけると、
『はらちょすな』
となりますので、「おなかをさわるな」という意味になります。一文字加えるだけで全く意味が変わってくるんですね。
流行りの歌も歌えないダサいはずのこの僕ですが、流行りのあだ名も使用できなそうです。それでもちょすということばが広く使われているようになったことは大変喜ばしいことだと思います。
今回はとりとめもない話になりました。本来更新しようとしていた難しい内容の記事を作っていたら脱線してしまいこのような結果になりましたありがとうございました。
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