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北海道の道北でいなかくらし。スラックライン、地域おこし、田舎暮らし、カメラ、RAW現像、デザイン、イラストについて。

【日帰りで焼尻島その2】やぎしり島HIKEで味わう島旅情。

前回のハイライト

  1. すぐ着く焼尻島
  2. うに漁見学
  3. うに
  4. レンタサイクル
  5. しまねこ
  6. うに
  7. おっくん

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前回記事はこちらから。

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やぎしり島HIKEへ

さぁやっと本題。焼尻島を満喫すべく、名ガイドとともにハイキングへ出かけます。今回、台風の影響で急遽キャンセルになってしまった方もいたため、マンツーマン贅沢コース。本来は、

①焼尻名所めぐりコース(うすくち)

②島暮らしに想いを馳せるコース(こいくち)


このどちらかを選択する形ですが、今回はどっちも!味わうことにしました。想いも馳せたいし、名所も見たい。

※急遽キャンセルがあった為、今回は特別に対応して頂きました。 

風景から掘り起こす暮らしと文化の足跡

早速想いを馳せ始めました。第二次世界大戦中に焼尻島に駐屯していた工兵さんが片手間で崖を切り崩して造ったという工兵街道を進んで坂道をノボリクダリしていると木造の建物が現れます。


昭和52年に廃校となった焼尻高校。一見すると少し大きな木造の住宅にも見えました。廃校になった後は近隣住民の住民活動で使用する器具などを収めたりしているそう。

ここでおっくんから聞けた焼尻高校のはなしはとても興味深いものでした。

※直接現地でお聞きください。



使われなくなって久しいグラウンドの草は伸び放題。バックネット跡と水飲み場跡。おっくんは、何か嫌なことがあった時このグラウンドで何かを叫んだりするようです。



高校跡を後にして念仏坂と呼ばれる坂を登ります。工兵街道が作られてからはほとんど使われていないこの道は当時、生徒の登下校に使われていた道。


なぜ、このネーミングかという話をかいつまんで説明すると、坂道がしんどすぎて念仏を唱えたかららしいです。確か。間違ってたらごめんなさい。


このあたりの話はウェッブの波でサーフィンしても出てこない知る人ぞ知る情報。そんな話を聞きながらどんどん想いが溢れて、念仏坂を登りきる頃には汗が噴き出していました。

そんなこんなで中心ぽいあたりへ。

 

焼尻島地域おこし協力隊おっくんの職場。白を基調とした綺麗な建物でした。以上!

 

 

もう少し進むと、この島唯一のカフェ《カフェアトリエおくむら》さんがありました。念仏坂で火照った体に救いのお店。さっそく店内へ。



メニューはダンボールに手書きというラフなもの。滲むなにかの汁っけが印象に残ります。

 


本棚にびっしりと詰まった書籍や、おそらく店主の方の趣味であろう雑貨の数々が並ぶ不思議空間。カフェオレを頂きながら島民の方と談笑しました。おかげさまで体力も回復。まだまだハイキングは続くので次へと進みます。

オンコの荘へ続く道

 

林の中へすすむとオオウバユリ。オオウバユリの豆知識なんかも飛び出してきます。

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そしてここからは奇木メドレー。不思議な形の木が続きます。

 

 

このあたりで興奮は最高潮。奇木萌え。見れば見るほど萌えてくる奇木ですが、おっくんのお気に入りはこちら。

 

 

なにやらカタツムリのような奇木。一度、折れかけてもう一度立ち上がるという不屈の精神がたまらないそうです。

このあたりの奇木のほとんどが積雪や風の影響で一度は倒れたり折れかけながらも強い生命力を持って立て直したド根性系の樹木たちだそう。北海道の離島に訪れる厳しい冬を感じさせる植生。


そしてオンコの荘。背の低いオンコの樹が10m以上広がる不思議な光景。そのどれもが不思議な形です。オンコの木々を潜るとちょっとした広場がありそこで一休み。木々の間から覗く空がより高く見えます。


ここでも豆知識。焼尻島にある看板に書いてあるカタカナの《ン》の字が個性的で面白い、という話。確かにオンコなのかオソコなのか、判断がつきづらいものや、《ン》に寄せようと必死な努力が垣間見える《ソ》などなかなか面白いです。


ここで説明しても正直判りづらいと思うので直接現地で見てみてください。

奇木の林を抜けると海、めん羊

奇木で漲った気持ちを抑えながらオンコの荘を抜けるとめん羊牧場へと続く道。


大きさと机と椅子の距離感が独特な休憩用ベンチなんかもありました。



遠別農業高校で見慣れているサフォーク種の羊。焼尻島の羊は毛色が綺麗。



白浜キャンプ場。この日はあいにくの曇天でしたが、静かな水面に青空、夕陽が映えそうな気配に疼きます。

 


神居岩とフェリー。

あっという間に4時間

気づけば四時間近くかけて焼尻島をほぼ一周したような内容で、おっくん豆知識も入り、結構な満足感。フェリーの最終便も真近になり足早にターミナルへ向かいます。

あれ、そういえば気づけば俳句を詠むのも忘れてハイクしてました。ということで急いで俳句を詠む事に。作品はこちら。


情緒もへったくれもない作品が出来上がりました。一応《オガる草》が季語でしょうか。我ながらセンスのかけらも感じさせない作品です。完成した瞬間にリベンジしたい気持ちになりましたがフェリーの時間も迫っているので泣く泣くフェリーに乗り込みます。
※おがる=北海道の方言で成長するという意味。

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お見送りのおっくん。応援団の下っ端みたいなポーズですが、帰るだけですし別に応援してもらっていたわけではありません。

あとがきに

今回の焼尻島滞在。日帰りではありますが初めての訪問にふさわしい大変濃厚な一日になりました。同じ留萌管内という地域で同業者が行う事業に参加させてもらったわけですが、感じた事も様々。


観光のスペシャリストでもなんでもないので、ただ単に感じていることですが遠別町も、焼尻島も《観光上級者向けの地域》という印象を勝手に持っています。焼尻島の方が見どころも特色もありますが、ガイドブックとネットの情報を頼りにフラっと来てもきっと2割程しか楽しめない、そんな地域。


観光受け皿としての環境整備はもちろん必要ですが、人の心を変えることや設備を整えるのはお金も年月も労力もかかることで個人でなかなか簡単に行えることではありません。


今回のやぎしり島HIKEのように自分を基点に地域を案内するのは暇(時間)さえあればできるので、そこから広げていくことの方が小さな町では有効な気がしています。そのベースには《地域が好きで、案内していても楽しくて仕方ないんですぅ》みたいな心粋が必要になるかもしれません。だって暇じゃないですもんね。


最初は「また知らん人案内してるんかい?」みたいな町民の方の興味から始まり続けていくと「また案内?今度あそびにけ!」と、手伝ってくれそうな雰囲気を出し始める方も出てきたりするのは嬉しい変化。


一言で観光と言ってもいろんな切り口があると思いますが、今回のやぎしり島HIKEでは《答えを見せずに想像と妄想を掻き立てる楽しみ方の提案》という秘技を味わった気がしています。詳しく説明しろと言われてもできませんが、そんな感じです。

宿をやりたい、というおっくんが見つけた空き家。ここの改装も現在進めているそうです。おっくん、大変お世話になりました。また遊びに視察に行きます!

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