あるものないものさがし。
田舎に移住して生活に慣れてくると、少しずつ「あるものとないもの」に気付いていきます。地域おこしに関わる仕事についているとなおさら。隣町にはアレがあって、コレがあってうちの町にはアレがなくてコレがない。都会にはアレコレ、田舎にはアレコレ。言い出したらホントキリがないっす。
自分が住むと決めた土地。住みたいと思った地域。できれば自分にとって都合の良い場所であるのがのぞましいと思うのは当然のことですが、全て兼ね備えた地域に住めることなんて滅多にないことなんじゃぁないかと思ってます。
今あるものをみつめて、ないことを悲観しない。そんな思考を持って生きていきたいなぁと思うここ最近です。
ざわざわしてるよ、地方創生。
というのも、ここ最近ざわついてます。ちょっとだけ地域おこし界隈の話をすると、最近になって村落LLPが発表した〈地域おこし協力隊の失敗の本質〉というものが話題になっています。コレ自体、自分もものすごく共感しましたし参考にさせて頂きました。2014年の3月くらいには発表されていたと思うのですが、最近になってビューっと話題にのぼったのは地方創生の云々かんぬんからの地域おこし協力隊増員がうんぬんかんぬんという情勢も関わっているのだと容易に予想がつきます。
この話題については深く触れませんが、この失敗例の本質は一体誰に向けてのものなのか、今一度考える必要はあるのではないかと思います。地域おこし協力隊同士が行政の悪口を言うためでなく、行政と住民と協力隊との橋渡しであってほしいと思います。
地域おこし協力隊「失敗の本質」 - 村楽LLP(全国地域おこし協力隊ネットワーク) | Facebook
地域おこし協力隊の「失敗の本質」に共感しすぎてやばい!協力隊応募者必読!
地方創生・若手官僚派遣(シティマネージャー)が学んでほしい、地域おこし協力隊「失敗の本質」(長坂尚登) : BIG ISSUE ONLINE
批判をするためのものではないはずだ。
よその町から田舎町へ。この行動は決断と覚悟が必要で、簡単なことではないと思います。ただ、地域おこし協力隊になるということを決断するまでに自分が住む地域も、やっぱりサラリーマンに踏みとどまることも、選ぶ権利や裁量権は自分自身にあったはず。それでも選んだ選択地域での田舎生活だということは絶対に忘れてはいけない。
よいこと、わるいこと。スッキリと分けられたらどんなに楽なことか。それができないむずがゆさやジレンマとの戦いが必ず田舎移住者にはあると思います。前例にない動きを強いられてしまう行政。その動きの遅さや態度に悶々とする隊員。そしてもともとその地域に長年住んでいる今のままでもそれなりに幸せな住民。全員がやりたいことを効率よくやろうとしてもうまくいくわけがありません。なんせ見ているものが違うのですから。
長年その地域に住んでいる人からすれば、急に入ってきたよそ者が「あれがない!これがない!さぁつくろう!」といってもピンときません。そればかりか、いきなり何言ってんだこの野郎は!と波風すら立ってしまう可能性があります。そこに至るまで、人間関係と信頼感が築けていなければただの外野、野次馬どまり。無責任な戯言に過ぎません。
「地域おこし協力隊はスーパーマンではない」という話は失敗の本質でも触れられていますが、それならばスーパーマンではない自分ができること、できないことを言葉と姿勢で住民と行政にも伝えていかなければいけない。
地域での立ち位置が曖昧だと、それはずっと曖昧のまま。地域おこし協力隊になって、珍しい肩書になって、おじいちゃんおばあちゃんからお礼を言われて、感謝されて忘れかけてしまうのが「この地域にいつまでいるの?どこまでするの?」ということ。
自分が選択できる立場、した立場ということを忘れてはいけない。
行政に従わなければいけないというわけではありません。住民に頼まれたことを断ってはいけないということでもありません。自分が選択できる立場なのだからどんな選択するのも自分次第ということです。
行政に思いを伝えるとき、時に口論することもあると思いますが信念と覚悟を持って本当に伝えたのか?ポッと出たアイディアをやってみたいからーっと安易に伝えていないか?行政の性質上安易に動けないということを理解した上で話す必要があります。
住民に思いを伝えるとき、この町で生きてきた住民のことを尊重できているか?馬鹿にしていないか(表現として)?そうやって自問自答出来る部分は必ずあると思うんです。白か黒かはっきりするのではなく、灰色でうまいことバランスを取りながら少しずつ色を足していく作業が必要なのではないのでしょうか。
偉そうなこと言ってますが、自分もその過程であがいている存在です。
まだまだ田舎暮らしははじまったばかり。
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