儚い命と向き合うおじさんの話。
小動物の命ははかないもの。今回は田舎まち、遠別町で本当にあったお話。絵本風に紹介させていただきます。登場人物はおじさんとハムスター。
ハムスターの寿命は約2~3年と言われています。人間で言えばまだ乳離れもしていない時期。(乳離れの世界平均は4歳と2か月らしい) そんな短い期間でも全力の愛を持ってハムスターと接したおじさんの小さなドラマティックなみじかいお話です。
食事は同じ食卓で。
田舎町で暮らすおじさん。生まれてからこの町を長く離れたことはありません。毎日の楽しみは晩酌。おじさんは毎晩の晩酌を欠かしません。そのかたわらには大切にしているハムスター。
夜ご飯は食べずにビールとつまみがあればそれでいい、そんな食卓にはハムスターも一緒。ハムスターはひまわりの種。おじさんはゆでたまご。たまに間違えてハムスターを食べてしまいそうになった時もあるそうです嘘です。もちろん毎晩ゆでたまごがおつまみなわけもありません。大豆なんかも好きなおじさん。
夜、寝静まった頃にハムスター小屋からかたかた聴こえてくる回しぐるまのおと。
どうせならうまいもん食ってくれぇ。
ハムスターの寿命が短いことはおじさんも理解しています。
そして、にんげんの食べ物を与えるのは良くないことも。それでも「たべたい!」とかわいくおねだりされてしまうとおじさんも男、拒むのは簡単ではありません。食べさせてしまうことも何度かありました。ポッキーゲームのようなかっこうで食べさせることもありました。一人と一匹が過ごす幸せな時間。ちょうど1年を過ぎようとしたある日。
静かな小屋。
夜中、かたかたかたと回し車の音が聴こえるのはもう慣れっこです。しかしその日はその音が聴こえてきません。朝方、目を覚ましてハムスターの小屋を見ると、静かに小さくうずくまるハムスターが。おじさんはショックでしたがハムスターをいつものように手のひらに乗せました。すると、まだ少しあたたかい体。おじさんは急いで心臓マッサージを行いました。
ハムスターは動かない。
親指を背中に添えて人差し指と中指で優しくマッサージ。
どれくらい続けたのでしょうか。朝の忙しい時間。時間が許す限りマッサージし続けました。もう仕事の準備をしないと、そんな時間になった時に両手で包んでハムスターの体をあたためました。
すると、ハムスターが息を吹き返して目を開いたのです。おじさんの想いが届いた瞬間。それから、長い期間とはいえないけれどまたしばらくしあわせな時間を一緒に過ごした一人と一匹でした。
終わりに。
最初この話を聞いた時は、おじさんも笑いながら話していたし「うそーん。」と疑いかけてましたが、色々調べてみるとハムスターが心臓マッサージで復活した話はほかにもあるようですね。最後まであきらめなかったおじさんの心臓マッサージがハムスターの命を救ったのは間違いなさそうです。
誰が欲しがるかわからない小さな話ですが、こうやって聴いた話もたまにはいいなぁと自分で記事つくっていて感じました。自己満足ですが胸がほっこり。
ちなみに今回はipadのアプリで描いたイラストをそのまま使用しました。
無料ですし、今回はほぼ使っていないですがレイヤー機能もあるので大変使いやすいです。それでは今回はこのへんで。