伝統芸、トテイ。
遠別町では出初式が毎年1月7日に行われます。その際、伝統的な催しとして登梯(トテイ)が披露されます。なんだこれ面白そう、と昨年からトテイ人の一員となりました。そうです、今年もこの季節がやって来たのです。例年、世間がクリスマスの到来に浮かれるこの時期トテイ人達は地上6メートルの世界で技を磨き始めるのです。ある意味浮いているけれど。
本格的な練習は来週あたりから。その前に復習を兼ねて教本を見る。
なんかシュールなんですよね。イラスト。昨年からこれが気になって気になって。そんなわけでせっかくの貴重なイラスト財産を残す意味で、デジタルイラストにしてみたいと考えました。すべてに手を付けると結構な時間がかかってしまうのでとりあえず7つの技を自分なりのコメントをつけてまとめてみました。
梯子乗りの技を紹介
一本腹亀
みぞおち付近で体の全体重を支える初歩的なわざ。腹筋に力を入れ過ぎると不安定になり、力を抜きすぎると腹が痛む。基礎となる技ではあるが、梯子乗りの最初の壁になるのは必至。
二本腹亀
みぞおちとあごで体の全体重を支えたことはあるだろうか。想像以上にあごが痛い。トテイ界では基礎的な技のひとつ。「ヨッ!」という掛け声が苦しげにあたりに響く。
爪掛一本八艘
片方の灰吹に両足を乗せ逆の灰吹に手を乗せ体を支える「ちょっとすべった」が命取りなわざ。二本の指を前方に伸ばす決めポーズが決まった時見物人から黄色い声援が飛び交う(希望)
膝留め
一見「正気か此奴は」となるように見えるが意外とキマりやすいトテイの基礎わざのひとつ。反転して見えるこの世界は自分だけのもの、そう思いながら演技するトテイ人も少なくない。
腕だめ
心の声が聞こえてくるようだ。「どうなっているの?」と。できるだけ涼しい顔で、平気な顔で、それが美しい腕だめをキメるポイント。要はやせ我慢。
肝潰し
名前の通り、梯子のてっぺんでてっくり返るのは肝を潰す。それでもトテイ人は怯えた顔を見せない。見てごらん。手の二本指。これが勇気の証拠さ。トテイ人が最初に覚える基礎わざのひとつ。
唐傘
コメディアンがこんなポーズをしている姿を昭和生まれの人は記憶しているだろう。地上六メートルの高さでこのポーズをとるトテイ人はまさに命知らずである。
実は六十九種の技があります。
四十七のトテイ技、と書いてますが実はもっとたくさん。ただ、中にはこんなん無理やろというものもあるので精査して四十七で帳尻合わせたいと思います。
イラストはとりあえずトレースしただけですが、時間があればもう少し手を加えたりしていきたいなぁなんて思っています。技の名前は地域によっても少し違ったりするよう。
面白がってやってますが、伝統をしっかり残していくためにはデジタル化・保存も必要なことだと思います。この教本も町に数冊しかないとか。そんなわけで伝統芸能にチャレンジしつつ、保存もしておこうというとっても意識高い趣味が出来ました。また時間が空いたらぼちぼちやっていきます。
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