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北海道の道北でいなかくらし。スラックライン、地域おこし、田舎暮らし、カメラ、RAW現像、デザイン、イラストについて。

【北の怪植物】エゾニュウが伝える夏のはじまりとおわり

すすきととんぼが見え隠れし始めたので

「おぼんすぎたらなつおわり」というリズムの良い言葉をよく聞きます。すすきもとんぼも飛び始めて日没も19時を切り、夏の終わりがじわじわと迫ってきているのを背中で感じ始めました。

 

夏から秋に移り変わる季節の感じ方はひとそれぞれ。私は遠別に来てから《エゾニュウ》という植物が伝える夏のはじまりとおわりを感じられるようになりました。

 

今日は、そんなエゾニュウの様子をお伝えします。

今週のお題特別編「はてなブログ フォトコンテスト 2015夏」

夏前半〜エゾニュウの目覚め

夏のはじまり。遠別に戻って始めて知った植物ですが、今となってはこれを見ないことには夏が始まらなくなりました。セリ科シシウド属イチ破天荒な存在(多分)

 

 

目覚めたてとはいえこの時期ですでに人間の頭くらい大きい怪物。《エゾニュウ》の《ニュウ》はアイヌ語で「食べられまっせ、薬にもなりまっせ」という意味があるらしいです。もう少し小さい芽の時期のエゾニュウはクマも好きな味とのこと。来年は食べてみようか。

 

夏中盤〜エゾニュウ色気だしてきた

夏ならではの澄み渡る青空が目立ち始めた頃、エゾニュウも色気を出して花を開き始めます。この時期のエゾニュウの魅力は多くの虫たちを魅了し、花には虫が群がっています。なのであまり近くで匂いを嗅いだことはありません。いい匂いなのかな?

 

 

海岸沿いにブワァーと群生するエゾニュウ。まさに怪物の様相。この時期になれば2m越えの奴らがほとんど。見上げる存在です。学名の《Angelica ursina》はラテン語で天使、熊の意味を持っているそう。

 

夏後半〜枯れてもなお溢れる存在感

後半に差し掛かると、「あれ?あの花はどこ行っちゃったの?」って思うくらいに様子が変わっています。面影はそのサイズだけ。

 

 

乳白色の花が徐々に黒く焦げていくように変化していく様子は、夏の日差しに少しずつ焼かれているようにも見えます。この頃のエゾニュウは夕日との相性が抜群。3年間でこの組み合わせで撮影した写真は数え切れません。

 

今年もエゾニュウを見送り、秋がくる

北の怪植物、エゾニュウの変化を見送り今年ももうすぐ秋が来る。季節の変化を楽しめる要素が少しずつ増えていきます。この地域に慣れてきたと実感する瞬間。Uターンなんですけどね。