誘いの呪文は「gozzo」
野菜の収穫時期、大漁だった朝、偶然美味しいお酒が手に入った日。
恒例行事が終わった、悲しいことがあったその夜。
田舎の中でも特に流暢なことばを扱うおじちゃんから放たれる誘いのことばは時に異国情緒に溢れている。
「gozzo alu ka la kuinike?」
ごっつぉ ある か ら くいにけ?
ご馳走が ある か ら 食べに来ないかい?
こういうことである。
深読みばなし
「ごっつぉ」ということばはおそらく「ご馳走」ということばが由来だろうということは容易に予想がつきますが、なぜこういう変化が起きるのかなぁと考えてみてもなかなか答えが見つかりません。
「ごっつぉ」と発声するところを注意深く見聞きしてみると、ごちそうのちが言いづらいんだなと気付きます。確かに言いづらいですよね。ち。
「ごてぃそう」でもよさそうに思えますが、これもやっぱりてぃが言いづらいのでしょう、確かに言いづらいですよね。てぃ。
そうやって考えていくと、やっぱり「ごっつぉ」に落ち着きます。「ご馳走」ということばをユニバーサルデザインすると「ごっつぉ」となるわけですね。
もし「gozzo...」と聞こえたらその方向を注意深く見聞きしてみてください。誘いのことばを発する愛嬌のあるおじちゃんがそこにいるかもしれません。
遠慮はいらん、別に心配もいらん。遠別町。