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春のホタテ稚貝漁体験レポート。準備から働き終えるまで。

道北日本海沿岸、春の一大仕事ホタテ稚貝漁。

遠別町でも先日から始まったホタテの稚貝漁。大変ですが、どれも新鮮な体験で楽しくやらせて頂いております。独特な仕事ではあるなぁ、と感じる部分も多いので職業体験レポートを書いてみました。

 

◎どうやって浜仕事にありつくの?

まずは仕事にありつくために。地域特性などもあると思いますし、親方(浜では一番てっぺんにいる人のことをこう呼びます)次第ということもあると思うのですが、私のケースで紹介します。

 

私の場合、NPO法人の正会員になって頂いた方の中に漁師の2代目がおりましたのでそのつながりで働くことになりました。「浜仕事の写真が撮りたいんだけど…」→「うちにきたらいいよ」→「ありがとう」
→結果、がっちり働くことに。

 

最初の要望がどこに行ってしまったのかわかりませんが、この時期は労働力はあればあるだけいい、という時期らしいので浜仕事に行っている方に『ちょっときょうみあるんだよねぇ』と相談したら、人間性に著しい問題がない人でない限りはお声がかかると思います。

◎働くことも決まった。準備しよう。

特に面接や書類のやり取りはありません。3月の末くらいに上記のようなやり取りがあって、4月になったら連絡するよー、と言われてそのまま時期を待ちます。このタイミングで浜仕事をやるために必要になるものもあるので、それを準備しました。

 

準備するものはこの程度。ワークマンズショップなどに行けばそこで全て準備できます。

◎さぁ、初仕事!どんな流れ?

準備も整って、あとは連絡を待つだけ。はじめて仕事に行く場合は、前日の夜に一度連絡が入りました。「あしたなぎそうだからはまあるよ。」良く知らない人からすればよくわからない言葉かもしれません。

 

『明日、海の波が穏やかだから浜の仕事あるよ』の意。すごくシンプルな言葉。その翌日、予定通り船が沖に出れば早朝の4:30くらいにもう一度連絡がきます。その連絡を受けて、いそいそと準備を始めます。

 

少しずつ漁港に船が戻ってきます。船にはホタテの稚貝が入ったカゴが山積み。これを見るだけでも結構な迫力です。船についたクレーンで3本~6本くらいのカゴを下していきます。

 

http://instagram.com/p/mwEm8lun0F/

 

結構な大きさです。これを降ろします。

 

http://instagram.com/p/mwE6VIun0o/

 

降ろす時に一人一本ずつ掴んで引っ張り、次の作業を効率よく行う為に重ならないように注意します。

 

http://instagram.com/p/mwFNg8un1J/

 

降ろしたカゴは紐で締めてあるのでこれをはずし、ホタテが出やすいようにします。一列に並んで持ち上げ、ガッシャガッシャ降って籠からホタテを出します。出します。

 

http://instagram.com/p/mwEshxun0R/

 

カゴにはびっしりとコケのようなものや海の生物がこびりついています。最初こそ少し抵抗がありましたが、意外とすぐになれるもんです。特に大量に現れるのがわれからというエイリアンよりの生物...

 

www.canworks.info

 

ワレカラの脅威を無事超えて、この仕事が一通り終わると浮き球洗い。

 

http://instagram.com/p/mwFAmBun0x/

 

この時は談笑しながらの作業。女性率の高い職場なので、私のようなものでも結構チヤホヤされます。

上記のような一連の作業を行います。いくつかの工程に分かれて役割分担もされていると思うのですが、あまりにも自然と分担されるので僕には良くわかりませんでした。大抵初めて浜仕事をする場合はこんな感じの作業になるのではないでしょうか。

 

大まかなタイムスケジュールは以下の通りです。

  • 4:30 ~ 電話で起床。準備。
  • 5:00 ~ 現場到着。コーヒータイム。
  • 5:20 ~ 船が港に到着。作業開始。
  • 6:40 ~ 一旦作業終了。浮き球洗い
  • 7:00 ~ 帰り支度。

 

8時30分からの通常業務があるので、お先に退散していますが、他の方々はその時期にもよりますが10時過ぎまでの時があれば夕方くらいまで作業がある場合もあるようです。

◎働いた後の喜び!給料やご褒美、貰えるもの。

実は、まだ給料を頂いていないのでなんともわからない上にしっかり説明を聞いていないという事態でして時給が解らないです。噂によると時給1000円くらいということなのでそのくらいかなぁと期待しているところです。

 

そして一番のご褒美。ホタテがもらえたりします。先日はカゴ一杯のホタテの稚貝を頂きましたが、全て食べきる自信がなかったので色んな人にお裾分けしました。稚貝なので一つ一つでみると小さいですが、ホタテの稚貝で出汁をとった味噌汁はとんでもなく美味しいです。

 

少し手間はかかりますが一つ一つ手でむいて、刺身として食べても成貝に比べてさっぱりとした甘味でクセになります。

◎働いてみての感想。

私の場合は労働時間が2時間に満たないので参考にならない部分もあると思いますが、一通り感じたことを列挙します。

  • 腰にくる
  • 腕にもくる
  • 虫嫌いはちょっと危険
  • 汚れを気にしちゃなにもできない
  • おばちゃんのパワーすごい
  • 浜言葉すごい
  • ものすごくお腹が減る
  • ホタテもらえてうれしい。

中腰での作業や、引っ張る・持ち上げることも多く腰と腕にはそこそこの負担がかかっているようです。80代近いおばあちゃんも作業に来ているというはなしなので、相当すごいと思います。浜言葉をつかうおばちゃんのパワーも素晴らしくて、ついつい笑顔になったりします。何言っているのかわからないこともありますが、そこは持ち前の愛想笑いで切り抜けます。

 

少し長くなりましたが、こんな具合に働いています。興味がある方は是非一度お試しください。若い力が発揮できる、アットホームな職場です。

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