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北海道の道北でいなかくらし。スラックライン、地域おこし、田舎暮らし、カメラ、RAW現像、デザイン、イラストについて。

富士見ヶ丘公園、恋絆シナの大樹へ。【遠別町ローカルスポット発掘】

えんべつの民話。ー恋絆のシナの大樹ー

遠別町の富士見ヶ丘公園。個人的にも春夏秋冬お世話になりっぱなしの大好きな場所ですが、ここに伝わるお話があります。

『富士見ヶ丘のシナの大樹』

富士見ヶ丘の大きな木にはコタンでおきた悲しい話が込められています。遠別川の河口には2つのアイヌ村がありました。村同士は親戚同士仲良く付き合っていましたが、だんだんと仲が悪く争いごとも起こるようになってしまいました。

勢力もある大きな村の酋長には、一人息子がいて村の跡継ぎにしようと思ったいたのですが、争いの続く隣村の酋長の娘と愛し合う仲になっていました。酋長はこのことに気づき二人の仲を裂いてしまいます。

数日後、二人はどちらの村からも居なくなってしまいました。二人は上流のカムイトーの沼の渕で二人静かに暮らしていたのです。野山の幸、川の幸に十分に恵まれたところで生活には困りませんでした。

二人は時々富士見ヶ丘に来て河口の村の様子を見ていつまでも二つの村が栄えることをひそかに祈り続けました。そして二人はカムイトー渕で一生幸せに暮らしそして沼の土へとかえっていきました。大きなシナの樹は二人の化身なのです。
〈遠別町史より引用〉


 以前当ブログにて紹介した念仏峠の話と比べると、少し艶っぽい話。創作された話だと思いますが2本のシナの大樹からこの話へよくつながったなぁと、人間の想像力(妄想力)の強さには驚きを隠せません。

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道北の田舎町、遠別町も桜が満開となりました。今週末の18日は道の駅で山菜まつりがあります。一人1皿無料でふるまわれるアイヌネギ入りジンギスカンは毎年人気で遠くか...

後世に伝えたいというより自己満足に近い願望。

ちなみにこの話は遠別町史に掲載されていましたが、ネットの海にはほとんど情報がありませんでした。町の人2900数人に聞いても知ってるよ!って人はおそらく数十名いたら良い方かなぁ。

別に失なわれても何も困ることはありませんが、少しさみしいですね。

今回、この恋絆のシナの大樹は徳島から遠別町にちょっと暮らし生活体験に来て下さった方と一緒に見に行きました。よその地域から来て頂いた方の反応というのは、非常に刺激になります。地域を好きになってもらうのにアレがあれば、コレがあれば、もっとこうなれば、アレコレいろいろ考えるきっかけになることもあったので後日記事にしたいと思います。

 

少しずつ遠別町も暖かくなってきました。こんなに暖かいのに。事務的な業務が多くて外に出られません。あゝ無情。世の中もなんだかざわざわしていて落ち着きません。業務生産性が低下しています。外遊びしたい欲が爆発寸前です。